ここでお釈迦さまと阿弥陀さまのご関係について
申し上げておきます。
浄土宗のご本尊は「阿弥陀仏」です。
浄土宗のお寺やお檀家さんのお家のお仏壇には
たいてい真ん中に「阿弥陀仏像」が祀られています。
ではお釈迦さまは関係ないのかというと、
そんなはずはありません。
お釈迦さまが「西方に極楽浄土がある。
そこに阿弥陀仏という仏さまがいらっしゃる。
その仏さまがあなたたちを救ってくださるのですよ」
と説いてくださっているのです。
お釈迦さまがいらっしゃらなかったら、私たちは
阿弥陀さまや極楽浄土、お念仏を知るすべがありません。
お釈迦さまは
「阿弥陀仏という仏さまを信じて、
その教えに従いなさい。必ず救われるから」
とお経の中で阿弥陀さまについて
お説き下さっているのです。
つまりお釈迦さまは「阿弥陀仏に従って行けよ!」と
見守り導いてくださり、
阿弥陀さまは「私を信じて来いよ」
と願い、私たちを極楽浄土へすくい取ってくださるのです。
「行けよ」と「来いよ」という向かい合わせの関係です。
阿弥陀さま、お釈迦さま「二尊の教え」ともいえるでしょう。
多くの浄土宗寺院の裏堂にお釈迦さまが祀られているのは
そのことを表しているのです。
『浄土三部経講座』
坪井俊映