2020年7月19日日曜日

念仏と出会うということ⑦(チャンスを逃してきた私)

『無量寿経』の言葉の意味に気づいた感激は続き、

しみじみと喜びを味わいました。

しかしふと気がつきました。

「過去に仏と遇いながら、

今現在まだ輪廻しているというのはどういうことか?」

そうです。

かつて仏と遇うほどの強い縁に遇いながら、

その時には心が向かなかったのでしょう。

仏がお説きくださることに従わず、それをないがしろにし、

日々の忙しさにかまけて煩悩による行いを続けて、

また悪道で長い時間を過ごしたのでしょう。

仏と出会いながら、そのチャンスを

ものにすることができなかったのです。

それでまた生まれ変わり死に変わり輪廻を繰り返し、

やって人として生まれた。

それからまた輪廻を繰り返し、

このたびもう一度人として生まれ、

仏教に出会い、お念仏のみ教えと出会った。

そしてこのたびはようやく

信じることができたのです。

何度も輪廻を繰り返し、ようやく輪廻から離れ、

西方極楽浄土へと往生するチャンスを

ものにすることができたのです。

『現代語訳 浄土三部経』
浄土宗総合研究所編


8月後半のことば

 8月後半のことば 「生まれる前から忘れん坊」   人はこの世に生まれる前から、すでに忘却を背負っているのだと仏教は説きます。それを「隔生即忘(かくしょうそくもう)」といいます。前世でどのような過ちを犯し、どんな願いを立てたのかさえ忘れてしまい、そしてまた同じような失敗を繰り返し...