極楽浄土に往生した方が、
六神通(ろくじんづう)をどのように
使われるのか想像してみましょう。
①の神足通(じんそくつう)がありますから、
あなたのところに、いつも、すぐに
駆けつけてくださることでしょう。
残念ながら、あなたには神通力がありませんので
見えませんが、
「見えないけれど、いつもそばにいてくれている」
と思いを寄せましょう。
②の天眼通(てんげんつう)がありますから、
お仏壇の前で涙を流しているあなたを見ていて
くださっていることでしょう。
悲しみの中、お仕事されているあなたのお姿も
ちゃんと見てくださっていることでしょう。
③の天耳通(てんにつう)がありますから、
あなたが称えるお念仏を聞いてくださっていることでしょう。
お仏壇の前で大切な方にお喋りしているその声は
ちゃんと届いています。
④の他心通(たしんつう)によって、
亡き方のことをいつも考え、嘆き悲しむ
あなたの心の中もちゃんと見てくださっています。
⑤の宿命通(しゅくみょうつう)によって、
極楽浄土の方は前世を忘れることがありません。
極楽浄土の方にとって、あなたと過ごした日々が前世です。
「私が往った時にあの人は覚えてくれているのでしょうか?」
とのお尋ねをいただくことがあります。
「覚えておられますよ!」と自信を持って
お答えできるのは、極楽の方が
宿命通(しゅくみょうつう)を具えておられるからです。
そして⑥の漏尽通(ろじんづう)をお持ちですから、
あなたの悲しみも辛さも、そして愛情も
全部受け止めてくださるのです。