懺悔偈は「さんげげ」と読みます。
キリスト教では「ざんげ」と読みますが、
仏教では濁らずに「さんげ」と読みます。
懺という字は「さん」か「せん」としか読めません。
それが「ザンゲ」と読まれることが多くなったのは、
広辞苑によると、「ザンギサンゲ(慚愧懺悔)と熟して
用いることが多かったために、ザンギの影響で
濁音化して江戸時代にザンゲとなったか」
と説明されています。
(本文)
我昔所造諸悪業
(がしゃくしょぞうしょあくごう)
皆由無始貪瞋痴
(かいゆむしとんじんち)
従身語意之所生
(じゅうしんごいししょしょう)
一切我今皆懺悔
(いっさいがこんかいさんげ)
(書き下し)
我れ昔より造る所の諸(もろもろ)の
悪業(あくごう)は
皆(みな)無始(むし)の
貪瞋痴(とんじんち)に由(よ)る
身語意(しんごい)より生(しょう)ずる所なり
一切我れ今(いま)皆(みな)
懺悔(さんげ)したてまつる
(現代語訳)
私が今まで犯してきた数々の悪い行いは
すべて始まりのない昔から
輪廻(りんね)を続けてきた中で
「貪り(むさぼり)」・「怒り」・
「真理を知らない愚かさ」という煩悩をもって、
身体と言葉と心で生んできた行いばかりです。
私はそれを今すべて仏さまの前で
懺悔(さんげ)いたします。