人殺しが良いはずはありませんが、
人間関係がこじれたら
わたしたちは何をしでかすか分かりません。
「あんな奴いなかったらいいのに!」
「あと十年我慢したらあの人もこの世にいないだろう」
などと口には出さないけれども
「人の死」すら願ってしまうことが
あるかも知れません。
実は、きっかけ次第でどんな罪も
犯しかねないのが、この私たちです。
新聞やワイドショーに出てくる犯人を
「とんでもない奴やなあ」
と断罪するのは簡単です。
でも同じような生まれ、育ちであったらどうでしょうか。
私たちが殺人もしないで済んでいるのは
周りの環境がいいからなんじゃないでしょうか。
私たち自身が良いのではなくて、
縁が良いから悪いことをせずに
済んでいるだけではないのでしょうか。
殺人をしなくて済んでいる環境に感謝すべきであって、
自分が良いのではないのです。
私たち一人一人は殺人犯と何ら変わらぬ
煩悩を持ち合わせています。
それが発芽しないように注意しなくてはなりません。
「少しの罪も犯すまい」と思いつつ、
「こんな恐ろしい煩悩を持ち合わせている
私をも阿弥陀さまは見捨てない」
と信を強くすることが大切です。