正行(しょうぎょう)には五つあります。
「五種正行(ごしゅしょうぎょう)」といいます。
一つ目は「読誦正行(どくじゅしょうぎょう)」です。
これは「無量寿経(むりょうじゅきょう)」
「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」
「阿弥陀経(あみだきょう)」の三つ、
「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」を
読誦(どくじゅ)することです。
浄土三部経
「読誦(どくじゅ)」の「読」は
お経の文字を見て読むことです。
「誦(じゅ)」は文字を暗唱することです。
ですから、「読誦(どくじゅ)」は、
お経の本を見て読んだり、見ずに読むことをひっくるめて、
「お経を読むこと」です。
しかしお経ならどんなお経でもいいかというと、
そうではありません。
「無量寿経(むりょうじゅきょう)」
「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」
「阿弥陀経(あみだきょう)」の
「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」を
読誦(どくじゅ)するのです。
浄土三部経(じょうどさんぶきょう)には、
阿弥陀さまや極楽浄土、
お念仏のことが詳しく説かれています。
お釈迦さまは五千巻余りのお経を説かれました。
その中で阿弥陀さまのこと、
極楽浄土のことなどが説かれているお経が
いくつかあります。
更にその中から特に阿弥陀さまや
極楽浄土のことをしっかりと説いてあるお経を
法然上人が示してくださいました。
それが浄土三部経(じょうどさんぶきょう)です。
この浄土三部経(じょうどさんぶきょう)を読むことが
「読誦正行(どくじゅしょうぎょう)」です。
対して、これ以外のお経を読むことは
「雑行(ぞうぎょう)」となります。
よく読まれる般若心経や法華経などを
読むのは読誦雑行(どくじゅぞうぎょう)となります。
もちろん般若心経や法華経を読むことが、
悪いことであろうはずはありません。
どれもお釈迦さまが説かれた尊いみ教えです。
間違っているはずがありません。
しかし、般若心経(はんにゃしんぎょう)や
法華経(ほっけきょう)は、
「極楽浄土へ往生するため」に説かれたお経ではありません。
今私たちは極楽浄土に向かいたいのです。
そうなると般若心経や法華経(ほっけきょう)を
読むことは遠回りになります。
ですから極楽へ往生したい者は
浄土三部経(じょうどさんぶきょう)を
読むことをお勧めされるのです。