五種正行(ごしゅしょうぎょう)の
二つ目が「観察正行(かんざつしょうぎょう)」です。
「極楽浄土や阿弥陀さまの素晴らしさを想像すること」です。
「極楽ってどんなところだろう?
綺麗な花が咲き乱れて、美しい鳥がさえずり、
丁度良い気温が保たれていて
とても快適なところなんだろうなあ。
そこに嫌な人や憎い人は一人もいなくて、
大好きな人や尊敬する人に囲まれて
穏やかに和やかに暮らすことができるんだろうなあ。
極楽に往けば先に往生したあの人とも
この人とも会えるなあ。
そして何と言っても阿弥陀さまと会えるんだ。
阿弥陀さまってどんな方だろう。
きっとお優しい方で、こんな私を
包み込んでくださるような方なんだろうなあ」
と想像するのです。
浄土宗は「極楽浄土へ往きたいと願って
お念仏を称える者が極楽浄土へ往生できる」
という教えです。
だから「極楽浄土へ往きたいと願う」ことが大切です。
ところが、私たちの頭の中はこの世の損得のことばかりです。
好き嫌いのことばかりです。
勝ち負けのことばかりです。
それでは極楽浄土へ往きたいと願う心は育ちません。
ですから極楽や阿弥陀さまのことを
想像することをお勧めくださっているのです。
この世で生きていれば、辛いことや悲しいことがあります。
対して極楽は究極の楽土(らくど)です。
それを想像して、極楽への思いを育てる。
これが「観察正行(かんざつしょうぎょう)」です。