善導大師はこの「深心(じんしん)」の二文字の間に
「信」という文字を入れて解説して下さいました。
「深く」「信じる」「心」です。
何を深く信じるのか?
これに二つあります。
「信機(しんき)」と「信法(しんぽう)」といいます。
「信機(しんき)」は「機を信じる」ということです。
「機」とは自分の能力、人柄、器のことです。
自分はどんな機の持ち主なのでしょうか。
善導大師(ぜんどうだいし)は、このようにおっしゃいます。
「自分は今まで記憶にはない昔から罪を作り続けてきて、
六道輪廻(ろくどうりんね)を繰り返してきた。
そして、自分の力ではどれだけかかっても
輪廻から抜け出すことができないのだ」と。
そのような「自分で自分を救うことのできない機」
だということを深く信じるのです。
自分で自分を救うことができないのであれば、
誰かに救ってもらわなくてはなりません。
もちろん救ってくださるのは阿弥陀さまをおいて
他にはいません。
「この救われがたい私が、
阿弥陀様の力によって間違いなく
救われることを信じる」のです。
これが「信法(しんぽう)」です。