数年前、インドに行きました。
その時に物乞いの女の子が私に近づいてきて、
足を触ろうとしてきました。
私は思わず、何をされるのかと訝って避けました。
するとガイドさんが教えてくれました。
「あれはあなたを敬っている、
という、礼拝の原型なんですよ」と。
申し訳ないことをしてしまったものです。
また、「心の中ではちゃんと敬っているのだから、
体でわざわざ表現しなくてもよい」
と仰る方がおられるかも知れません。
しかし、敬っているなら、自然と体も敬いを
表そうとするものです。
我が子や孫と電話をしていても頭は下がりませんが、
息子の担任の先生と電話で話す時は、
相手には見えないのに
「どうも、いつも息子がお世話になっております」
と頭を下げていませんか?
敬いが行動に表れているのです。
また体で敬いを表すことによって、
敬いの心も養われるという両面があります。
これが「礼拝正行(らいはいしょうぎょう)」です。