2021年1月25日月曜日

三種行儀(さんしゅぎょうぎ) ⑦ 尋常行儀(じんじょうぎょうぎ)その六

「心の中で念仏を称えてもいいじゃないか」


という方もときどきおられます。


法然上人は


「それも悪くはないけれど、


やはり阿弥陀さまは、我が名を呼べよ、


と仰っているのだから、


声に出して称えるのが基本ですよ」


と仰っています。


身体と口と心が揃えばよいのですが、


主になるのは「口に称える」ことです。


もちろん


「阿弥陀さま、極楽へ迎え取ってください」


という思いがあってのことですが、


お念仏を称えている間中、ずっと


「阿弥陀さま、極楽へ迎え取ってください」


と思い続けるというのは難しいことです。


「心の中で称える方が簡単だ」


と思われるかも知れませんが、


私たちの心の中はそんなに上等にはできていません。


仮に心の中で十分でもお念仏を称えてみてください。


きっとすぐに違うことに思いが散って


気がついたらお念仏どころでは


なくなってしまうことでしょう。


しかし、思いは散っても


「阿弥陀さま、極楽へ往生させてください」


と願う心を大きく持つことはできます。


その私が、声に出してお念仏を称えるのです。


心はあちこちに散り乱れる私ですが、


口の念仏は癖付ければ続きます。  


念仏の「念」は「声」です。


声に出してお念仏を称えましょう。


10月前半のことば

10月前半のことば 「我が心 鏡にうつるものならば          さぞや姿の 醜くかるらん」   社会人は人前に出るとき、まず身だしなみを整えます。髪を撫で、靴を磨き、服の皺を直す。それは相手に不快感を与えぬための礼儀であり、社会という舞台に上がるための衣装でもあります。しか...