白道(びゃくどう)を歩む旅人は、「今現在の私」です。
他人の発する言葉に反応し、喜んだり落ち込んだり、
自信を持ったり不安に陥るなど、
自分の感情に振り回されて、人生を歩んできました。
その私がつい最近、お念仏の教えと出会ったのです。
ただ、お念仏の教えと出会っても、
それですぐそのまま苦しみが無くなる
わけではありません。
だから身辺にトラブルが起こると、
「極楽浄土へ往こう!」という気持ちが
シュンと失せてしまうのです。
その私の弱い「極楽往生を願う心」を表すのが
わずか四五寸の幅しかない白道(びゃくどう)です。
白道(びゃくどう)の幅の細さは、
すなわち私たちの「極楽往生を願う心」の
弱さを表すのです。
阿弥陀さまの本願の力はとても強いのですが、
私たちの「極楽往生を願う心」は
とても弱く頼りないものです。