在阿(ざいあ)さまからの質問に対して
良忠上人(りょうちゅうしょうにん)は
このようにお答えなさいました。
「お答えしましょう。
在阿さん、貪りや瞋りの煩悩は
最近身につけたものではないでしょう?
何度も生まれ変わり死に変わりする中で
始まりのない昔から、
あなたの身についてきたものですよ。
そう簡単にはなくなりません。
しかし、極楽へ生まれたいと願う心は
最近になってようやく出てきた心でしょう。
これは当然弱いのです。
でも心配する必要はありません。
どれだけ煩悩が激しく湧いてこようとも、
阿弥陀さまの本願の力が働いています。
煩悩を持つあなたが称える念仏の声を
阿弥陀さまが聞き逃されることはありません」
と説き、「二河白道(にがびゃくどう)の譬えを
よくよく見合わせてご覧ください」
とおっしゃいました。
その「二河白道(にがびゃくどう)の譬え」とは
どういうものなのでしょうか。