(本文)
また舎利弗(しゃりほつ)、
極楽国土には七宝(しっぽう)の池あり。
八功徳水(はっくどくすい)その中に充満せり。
池の底には純(もっぱ)ら
金沙(こんしゃ)をもって
地(じ)に布(し)けり。
(現代語訳)
〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉
「また舎利弗(しゃりほつ)よ、
極楽には七宝(しっぽう)からできた池がある。
その池は、八功徳水(はっくどくすい)で
満たされている。
池の底には金の砂が敷き詰められている」
※七宝(しっぽう)
七種類の宝玉。すなわち①金(こん)・
②銀(ごん)③瑠璃(るり)④頗瓈(はり)(水晶)・
⑤硨磲(しゃこ)・⑥赤珠(しゃくしゅ)(赤真珠)・
⑦瑪瑙(めのう)の七つの宝のこと。
※八功徳水(はっくどくすい)
八種のすぐれた功徳を具えた水。
①清らかで澄んでいる②臭みがない
③軽い④冷たい⑤軟らかい⑥美しい
⑦飲みたい時に飲める
⑧飲み終わった後に体調を崩すことがない
という八種の功徳。
(解説)
日本は水が非常に清潔かつ安価ですが、
他国では綺麗な水を手に入れるのが
困難なところも多いといいます。
水がないと生き物は生きていくことができません。
水があっても、それが不潔ですと、
病気にかかりますし、疫病が広がってしまいます。
極楽の池にある水は清潔で冷たく美味しく、
飲んで病気にかかることもないのです。