(本文)
四辺(しへん)に階道(かいどう)あり。
金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・
玻璃(はり)をもって合成(ごうじょう)せり。
上(ほとり)に楼閣(ろうかく)有り。
また金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・
玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・
赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(めのう)をもって、
しかもこれを厳飾(ごんじき)せり。
(現代語訳)
〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉
「池の四方には階段があり、
金・銀・瑠璃・水晶からできている。
岸の上には楼閣があり、また金・銀・
瑠璃・水晶・硨磲(しゃこ)・
赤真珠・瑪瑙(めのう)で飾られている」
(解説)
極楽の飾りを「荘厳(しょうごん)」といいます。
荘厳は、阿弥陀仏が仏になるために
修行されていた時代に、
「もし私が仏になったら、こんな浄土をつくりたい!」と
願を建てられて、長く大変なご修行の末に
成し遂げられたものです。
つまり、豪華絢爛な荘厳は、すべて阿弥陀仏の
修行の功徳によってできているものです。
だから永遠不滅なのです。
私たちの世界の邸宅や庭園は、
その持ち主の徳によってできたものではなく、
お金の力でできたものばかりです。
ですからお金によって売り買いされ、
古くなったりお金に困れば壊れてしまうものです。
極楽の荘厳は「功徳の荘厳」ですから、
単なる豪華な建物や庭ではないのです。