2021年5月9日日曜日

仏説阿弥陀経㉜

(本文)


舎利弗(しゃりほつ)、


上方(じょうほう)世界にも


梵音仏(ぼんのんぶつ)、


宿王仏(しゅくおうぶつ)、


香上仏(こうじょうぶつ)、


香光仏(こうこうぶつ)、


大焔肩仏(だいえんけんぶつ)、


雑色宝華厳身仏(ざっしきほうけごんしんぶつ)、


娑羅樹王仏(しゃらじゅおうぶつ)、


宝華徳仏(ほうけとくぶつ)、


見一切義仏(けんいっさいぎぶつ)、


如須弥山仏(にょしゅみせんぶつ)有(ましま)す。


かくの如き等(ら)の


恒河沙数(ごうがしゃしゅ)の諸仏、


各おのその国において、広長(こうじょう)の


舌相(ぜっそう)を出(い)だして


遍く三千大千世界に覆いて、


誠実(じょうじつ)の言(ことば)を説きたまう。


汝等(なんじら)衆生(しゅじょう)、


まさにこの称讃(しょうさん)


不可思議功徳(ふかしぎくどく)


一切諸仏(いっさいしょぶつ)


所護念経(しょごねんぎょう)を信ずべし。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「舎利弗(しゃりほつ)よ、


上方(じょうほう)世界にも


梵音仏(ぼんのんぶつ)、


宿王仏(しゅくおうぶつ)、


香上仏(こうじょうぶつ)、


香光仏(こうこうぶつ)、


大焔肩仏(だいえんけんぶつ)、


雑色宝華厳身仏(ざっしきほうけごんしんぶつ)、


娑羅樹王仏(しゃらじゅおうぶつ)、


宝華徳仏(ほうけとくぶつ)、


見一切義仏(けんいっさいぎぶつ)、


如須弥山仏(にょしゅみせんぶつ)がおられる。


それらのガンジス川の砂の数ほどの、


数え切れないほど多くの仏さまが、


各々の国において、大きな舌を出して、


三千大千世界を覆って、


次のような真実の言葉を説くのである。


あなたがたは、まさにこの阿弥陀仏の


計り知れない功徳を讃え、


すべての仏によって護られることを説く


経典を信じなさいと」






(解説)


諸仏がこれほどまでして


「念仏を称えれば極楽往生間違いなし」と


証明するのは、「疑う人」がたくさんいるからだ、


と法然上人はおっしゃっています。


その「疑い」には二種類あります。


一つには「極楽浄土の存在」、


もう一つは「凡夫(ぼんぶ)の往生」です。


また、諸仏が証明なさる根拠は


「阿弥陀仏の本願であるから」


だとおっしゃっています。


阿弥陀仏が自ら「称えれば救う」とおっしゃり、


釈尊と諸仏が「間違いない」とおっしゃっているのです。


「弥陀・釈迦・諸仏」が念仏による極楽往生を


勧めてくださっているのですから、


どうかそれを信じてお念仏を称えましょう。


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