2025年1月31日金曜日

2月前半のことば

 2月前半のことば

「ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず」

                 鴨長明


 川の流れが絶え間なく変わるように、私たちも常に変化しています。昨日の私たちと今日の私たちは、一見同じように見えても実は異なっています。身体をつくる要素は絶えず変わり、細胞も日々新陳代謝を繰り返しています。例えば、腸内の細胞や皮膚は数日から数週間で入れ替わるとされています。

 また、日々の出会いや別れ、経験、体験を通じて、心も常に変化しています。気難しかった人が穏やかになったり、優しかった人が傲慢になることもあります。これも自然な変化の一部です。

 人間関係においても変化は常に存在します。かつて仲の良かった人と疎遠になったり、苦手だと思っていた人と親しくなることもあるでしょう。

 腹に据えかねることがあっても、時間が経つとどうでもよくなることもあります。過去の失敗をずっと引きずっていたのに、そのことを誰も覚えておらず、馬鹿らしく感じることもあります。

 老病死といった避けたい変化もあれば、成長や進歩といった歓迎する変化もあります。どちらも川の流れのように絶えず続いていくのです。都合の悪い変化をすべて受け入れるのは難しいことですが、「すべては変化するもの」という意識を持つことは、生きていく上で大切なことなのです。

12月前半のことば この世は無常とわかっていても…

 12月前半のことば 「露の世は 露の世ながら さりながら」 小林一茶   仏教は「この世は無常である」と教えます。どんな命もいつかは終わり、どんな形もいつかは崩れる。理屈としては誰もが知っている真理です。しかし、それを心の底から受け入れることが、どれほど難しいか。最愛の人を亡く...