生前のお念仏の功徳が積もり、
いよいよ臨終を迎えた時に
阿弥陀さまがたくさんの菩薩を引き連れて
お迎えくださることを申して参りました。
その菩薩の中には先に極楽へ往かれた方々も
いてくださり、さぞ安心できることでしょう。
そして、その菩薩方の先頭には
「観音菩薩」がおられ、「蓮の台」を
差し出してくださいます。
観音さまは、あなたをヒョイと蓮の台に乗せてくださり、
蓮の花びらに包まれます。
その時には人生で味わった、
様々な苦しみや悩みや痛みなどの
あらゆる不快を取り除いていただき、
安楽へといざなわれます。
そして、次の瞬間には極楽浄土の蓮池の上に
生まれていることでしょう。
死んでから長い時間をかけてトボトボと
向かうのではありません。
瞬く間に極楽へ往生できます。
これを「即得往生(そくとくおうじょう)」といいます。
極楽の蓮池の上に生まれたら、後はワクワクして
花が開くのを待つだけです。
開く時間について、『観無量寿経』に記述があります。
先に我々の日常は「十悪」である、と申しました。
https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_10.html
『観無量寿経』には、十悪の者が極楽へ往生して、
その花が開くのは四十九日後である、と示されています。
四十九日までの間、近しい人は
「阿弥陀さま、○○さんを頼みますね」と
お念仏を称えて○○さんに尽くしましょう。
もちろんそうしないと花が開かないのではありませんが、
生前に関係の深かった人は
○○さんのご生涯に敬意を込めて、
〇〇さんを偲びながら、しっかりとお念仏を称える
四十九日間をお過ごしください。
四十九日経ったら、○○さんの蓮の花が
開く様子に思いを寄せましょう。
蓮の花が開いたら、目の前は憧れの極楽浄土です。
阿弥陀さま、観音・勢至菩薩、そして先に往生した
方々と、手に手を取り合って再会を喜び合うことが
できるでしょう。
あなたが極楽で大切な方と再会したら
どんなお声をかけますか?
「あなたが亡くなった後、どれほど寂しかったか!」
と訴えかけるかもしれません。
お相手は「それは寂しい思いをさせてしまったね。
ずっと見てたよ。
でも、あなたのことをずっと見てたよ。
よくお念仏を称えてくれてたね。
ありがとう。
あなたもお念仏を称えて極楽に来てくれた
おかげでこうやって再会できたよ」
とお喜びくださることでしょう。
浄土宗の位牌の多くは、戒名が彫られた札の下に
蓮の花びらが彫られています。
それは正に「極楽に往生されたお姿」
を表しているのです。