いよいよ最終の「送仏偈(そうぶつげ)」です。
(本文)
請仏随縁還本国(しょうぶつずいえんげんぽんごく)
普散香華心送仏(ふさんこうけしんそうぶつ)
願仏慈心遥護念(がんぶつじしんようごねん)
同生相勧尽須来(どうしょうそうかんじんしゅらい)
(書き下し)
請うらくは、仏、縁に随って本国に還りたまえ
普く香華(こうけ)を散じ、心に仏を送りたてまつる
願わくは、仏の慈心遥かに護念したまえ
同生(どうしょう)相い勧む、尽く須(すべから)く来るべし
(現代語訳)
どうか仏さま、それぞれの縁に随って、
本国へお還りください。
香を焚いて、華を撒いて
心より仏さま方をお送りします。
どうか仏さま、慈悲の御心をもって、
遙か彼方よりお護りください。
「極楽往生を目指す者同士が、
お互い勧め合って、みんな極楽へ来ることが
できるように」と。
序章において、「四奉請(しぶじょう)」を唱え、
仏さまや菩薩さま方をお迎えしました。
その仏菩薩をお送りするのが
この「送仏偈(そうぶつげ)」です。
お焼香には「迎送(こうそう)」という意味がある、
と「香偈(こうげ)」の項でお伝えしました。
https://hourinji.blogspot.com/2020/09/blog-post_9.html
香の煙に乗って仏菩薩はお出ましくださり、
香の煙に乗ってお帰りくださるのだ、
という思いでお焼香します。
もちろん線香でも結構です。
仏菩薩を敬い、丁重にお送りする心が大切です。