2020年10月20日火曜日

四誓偈(しせいげ)⑤

(本文)

 

離欲深正念(りよくじんしょうねん)

 

浄慧修梵行(じょうえしゅぼんぎょう)

 

志求無上道(しぐむじょうどう)

 

為諸天人師(いしょてんにんし)

 

 

 

 

 

(書き下し)

 

離欲と深正念と 浄慧との修梵行をもって 

 

無上道を志求して 諸々の天人師とならん

 

 

 

 

 

(現代語訳)

 

六波羅蜜の行をして、「覚りの道」を求めて

 

多くの人々のために、仏となりたいと願います。

 

 

 

「仏になるための修行をする者」を

 

「菩薩(ぼさつ)」といいます。

 

その「菩薩(ぼさつ)」がする修行は

 

「布施(ふせ)」「持戒(じかい)」「忍辱(にんにく)」

 

「精進(しょうじん)」「禅定(ぜんじょう)」

 

「智慧(ちえ)」の六つあります。

 

これを「六波羅蜜(ろくはらみつ)」といいます。

 

「布施(ふせ)」は自らの欲望を断つために

 

自分の物を他者に施します。

 

この「布施(ふせ)」に「財施(ざいせ)」と

 

「法施(ほうせ)」の二種あることは先に書きました。

 

https://hourinji.blogspot.com/2020/10/blog-post_16.html

 

「持戒(じかい)」は仏教徒としての「良き習慣」である

 

「戒(かい)」に従って生活することです。

 

「忍辱(にんにく)」は、

 

「あらゆる苦しみを耐え忍ぶこと」です。

 

「精進(しょうじん)」は「仏道修行に邁進すること」です。

 

「禅定(ぜんじょう)」は「

 

智慧を得るために精神を集中させること」です。

 

「智慧(ちえ)」は「仏となる覚りの智慧を得ること」です。

 

この内の「布施(ふせ)」「持戒(じかい)」

 

「忍辱(にんにく)」の三つが

 

「四誓偈(しせいげ)」本文の「離欲(りよく)」です。

 

「禅定(ぜんじょう)」が

 

本文の「深正念(じんしょうねん)」に相当します。

 

そして「智慧(ちえ)」が本文の

 

「浄慧(じょうえ)」に当たります。

 

これらを「精進(しょうじん)」して

 

修行することを「修梵行(しゅぼんぎょう)」といいます。

 

さて、仏さまには十の敬称があり、

 

それを「十号(じゅうごう)」といいます。

 

その内の九番目が「天人師(てんにんし)」で、

 

「天の神々と人々の師たる存在」という意味です。

 

ここまでが、「法蔵菩薩の誓い」です。

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