5月後半のことば
「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」
このことばは、理論物理学者アルベルト・アインシュタインが語ったものです。「自分の常識がすべてだ」と思っていると、新しい発見などできないのでしょう。
私たちが常識だと思っているものは、限られた経験の中で形作られた、張り子の虎にすぎません。
生まれた国や地域、育ってきた家庭、両親の価値観、学校の先生や友人、宗教など、僅かな期間の人生で関わってきた環境の中の「当たり前」を常識と呼んでいるのでしょう。自分が「当たり前」だと思い込んでいる固定観念や偏見に凝り固まると、他者との違いばかりが目に付き、他者を受け入れることができなくなってしまいます。そして自分の常識を盾にして、「あいつが間違っている」と批判していると、恐らくこの世が生きづらくなっていくことでしょう。
生きづらさから抜け出すためには、一方で「自分が常識だと思っていることは、わずかな人生経験から得た、偏りにすぎないのだ」という、自分を見る目を持つことが大切です。