2020年7月12日日曜日

浄土三部経⑤(世自在王仏と法蔵菩薩)

国王は世俗の方法で人々を救うことに限界を感じ、

悩んだ末、出家に救いを求めます。

国王は「世自在王如仏」(せじざいおうぶつ)

という仏さまの元に行き、

教えを請われました。

「世俗の力」つまり現代でいう「福祉」だけでは

すべての者を救うことはできない。

すべての者を救いたい、とおっしゃり、

弟子入りされます。

国王は出家して「法蔵菩薩」となられます。

すべての者を救いたいという法蔵菩薩に、

世自在王仏は、色んな浄土を見せて下さいます。

浄土というのは極楽浄土だけではありません。

仏さまお一方につき、一つの浄土があります。

阿弥陀さまの浄土は「西方極楽浄土」

薬師如来(やくしにょらい)には「

東方瑠璃光浄土(とうほうるりこうじょうど)」

お釈迦さまは「無勝荘厳浄土(むしょうしょうごんじょうど)」

という風に、仏さまによってそれぞれの浄土があるのです。

世自在王仏(せじざいおうぶつ)は神通力を使って、

法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)に

多くの仏さまの浄土をお見せになりました。

そのすべての仏さまの浄土のよいところをとって、

最も素晴らしい浄土を創ろう、

そこにすべての者を迎えとりたいと、

法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)は考

えるようになってゆかれました。

『浄土三部経概説』
坪井俊映


12月後半のことば 自分の罪に気づいたら…

 12月後半のことば 「雪のうちに 仏の御名を称うれば 積もれる罪ぞ やがて消えぬる」     法然上人                    しんしんと降る雪は、一粒はか弱くても、積もれば景色を一変させ、道さえ塞いでしまいます。私たちの心に積もる「罪」も、これに似ています。  ...