9月前半のことば
「こけたら立ちなはれ 立ったら歩きなはれ」
松下幸之助
「経営の神様」と呼ばれ、一代でパナソニックを築き上げた松下幸之助氏の、率直で温かい言葉です。
私たちは日々を生きる中で、時としてつまずくことがあります。仕事でのミス、家族との意見のすれ違い、突然の病。こうした思い通りにならない出来事は、誰にでも訪れるものです。
仏教では、物事は直接の原因だけでなく、周囲のさまざまな条件が影響し合って起きると考えます。この外からの作用を「縁」と呼びます。つまり、あなたがこけたのは、決して努力不足だけが理由ではありません。いくつもの縁が重なった結果なのです。ですから、どうか自分ばかりを責めないでください。
しかし、座り込んだままでは目の前の景色は変わりません。
大切なのは、次にどのような行動を起こすかです。仏教では人間の行いを「業(ごう)」と呼びますが、私たちは常に、いま置かれた縁の中で「自分がどう動くか」を問われています。
まずはご自身のペースで、ゆっくりと立ち上がってみてください。そして、前を向いて一歩を踏み出す。転んで痛みを知った経験自体が新しい縁となり、これからのあなたの歩みを、きっと力強く支えてくれることでしょう。