「自分の犯した罪」を告白するというと、
「先日、人の悪口を言ってしまいました」
「嘘をついてしまいました」
場合によっては
「暴力を振るってしまいました」
など、近日中に起こしたことが
対象になるのが普通でしょう。
しかしこの「懺悔偈(さんげげ)」における
告白は、記憶にない「前世(ぜんせ)」からの
悪い行いをも含みます。
前世の前を辿っていっても、そのスタート地点は
見つかりません。
私たちの命には「始まりなし」というのです。
それを「無始(むし)」といいます。
私が昔から起こしてきた数々の悪い行いは、
「無始(むし)」つまり「始まりのない昔」からの
「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」による、
というのです。
「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」は
「三毒の煩悩(さんどくのぼんのう)」といって、
自分を苦しめる根本的な煩悩です。
「貪(とん)」は「飽くなき欲求」です。
欲しい物が手に入っても満足しない、
欲深い心です。
「瞋(しん)」は自分の気にくわないことがあると、
腹を立てる、怒りの心です。
「癡(ち)」は
「自分だけを生かそう、生かそうとする心」です。
詳しくは先のブログで解説していますので
ご参照ください。
貪について
https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_16.html
瞋、癡について
https://hourinji.blogspot.com/2020/08/blog-post_17.html