2021年5月31日月曜日

仏説阿弥陀経⑩

 (本文)


また舎利弗(しゃりほつ)、


極楽国土には七宝(しっぽう)の池あり。


八功徳水(はっくどくすい)その中に充満せり。


池の底には純(もっぱ)ら


金沙(こんしゃ)をもって


地(じ)に布(し)けり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「また舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽には七宝(しっぽう)からできた池がある。


その池は、八功徳水(はっくどくすい)で


満たされている。


池の底には金の砂が敷き詰められている」



※七宝(しっぽう)

 七種類の宝玉。すなわち①金(こん)・

 ②銀(ごん)③瑠璃(るり)④頗瓈(はり)(水晶)・

 ⑤硨磲(しゃこ)・⑥赤珠(しゃくしゅ)(赤真珠)・

 ⑦瑪瑙(めのう)の七つの宝のこと。


※八功徳水(はっくどくすい)

 八種のすぐれた功徳を具えた水。

 ①清らかで澄んでいる②臭みがない

 ③軽い④冷たい⑤軟らかい⑥美しい

 ⑦飲みたい時に飲める

 ⑧飲み終わった後に体調を崩すことがない

 という八種の功徳。





(解説)


日本は水が非常に清潔かつ安価ですが、


他国では綺麗な水を手に入れるのが


困難なところも多いといいます。


水がないと生き物は生きていくことができません。


水があっても、それが不潔ですと、


病気にかかりますし、疫病が広がってしまいます。


極楽の池にある水は清潔で冷たく美味しく、


飲んで病気にかかることもないのです。


2021年5月30日日曜日

仏説阿弥陀経⑪

 (本文)


四辺(しへん)に階道(かいどう)あり。


金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・


玻璃(はり)をもって合成(ごうじょう)せり。


上(ほとり)に楼閣(ろうかく)有り。


また金(こん)・銀(ごん)・瑠璃(るり)・


玻璃(はり)・硨磲(しゃこ)・


赤珠(しゃくしゅ)・碼碯(めのう)をもって、


しかもこれを厳飾(ごんじき)せり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「池の四方には階段があり、


金・銀・瑠璃・水晶からできている。


岸の上には楼閣があり、また金・銀・


瑠璃・水晶・硨磲(しゃこ)・


赤真珠・瑪瑙(めのう)で飾られている」





(解説)


極楽の飾りを「荘厳(しょうごん)」といいます。


荘厳は、阿弥陀仏が仏になるために


修行されていた時代に、


「もし私が仏になったら、こんな浄土をつくりたい!」と


願を建てられて、長く大変なご修行の末に


成し遂げられたものです。


つまり、豪華絢爛な荘厳は、すべて阿弥陀仏の


修行の功徳によってできているものです。


だから永遠不滅なのです。


私たちの世界の邸宅や庭園は、


その持ち主の徳によってできたものではなく、


お金の力でできたものばかりです。


ですからお金によって売り買いされ、


古くなったりお金に困れば壊れてしまうものです。


極楽の荘厳は「功徳の荘厳」ですから、


単なる豪華な建物や庭ではないのです。


2021年5月29日土曜日

仏説阿弥陀経⑫

(本文)


池の中に蓮華あり。


大きさ車輪のごとし。


青色(しょうしき)には


青光(しょうこう)あり。


黄色(おうしき)には


黄光(おうこう)あり。


赤色(しゃくしき)には


赤光(しゃっこう)あり。


白色(びゃくしき)には


白光(びゃっこう)あり。


微妙香潔(みみょうこうけつ)なり。


舎利弗(しゃりほつ)、極楽国土には、


かくの如きの功徳荘厳(くどくしょうごん)を


成就(じょうじゅ)せり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「池の中には車輪ほどの大きさの蓮華が生えている。


そして青い花から青い光が、


黄色い花からは黄色い光が、


赤い花からは赤い光が、


白い花からは白い光が放たれていて、


美しく香りも清らかである。


舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽はこのようにすぐれた功徳で


飾られているのである」





(解説)


蓮は泥の中から美しい華を咲かせることから、


濁り乱れた世にありながら、


正しき道を求める修行者に譬えられて


たびたび仏典に登場します。


善導大師は煩悩に苛まれつつも、


極楽浄土を目指す念仏者を白蓮華に譬えおられます。


https://hourinji.blogspot.com/2021/03/blog-post_7.html



極楽では白蓮華だけでなく、


青・黄・赤・白の蓮が、


それぞれの色の光を放って美しく咲き誇っています。


このような素晴らしい情景を思い浮かべて、


極楽を求める心を育てていきたいものです。


2021年5月28日金曜日

仏説阿弥陀経⑬

(本文)


また舎利弗(しゃりほつ)、彼の仏の国土には、


常に天楽(てんがく)を作(な)す。


黄金を地(じ)とせり。


昼夜六時(ちゅうやろくじ)に


曼陀羅華(まんだらけ)を雨(ふ)らす。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「また舎利弗(しゃりほつ)よ、


阿弥陀仏の国には、いつも素晴らしい


音楽が流れている。


大地は黄金でできている。


そして六時間毎に、曼荼羅の華が降ってくる」





(解説)


極楽ではいつもよい音楽が流れています。


大地は黄金です。


そこに曼荼羅の華が降ってくるのです。


曼荼羅華は、適意華(てきいけ)、如意華(にょいけ)


とも訳され、その香りをかぎ、その色を見る者は


みんな悦びに包まれるといいます。


2021年5月27日木曜日

仏説阿弥陀経⑭

(本文)


その国の衆生、常に清旦(しょうたん)をもって、


各おの衣裓(えこく)をもってもろもろの


妙華(みょうけ)を盛(い)れて、


他方十万億の仏を供養す。


すなわち食時(じきじ)をもって、


還って本国に到って、飯食(ぼんじき)し


経行(きょうぎょう)す。


舎利弗(しゃりほつ)、


極楽国土にはかくの如きの


功徳荘厳(くどくしょうごん)を


成就(じょうじゅ)せり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「極楽の人々は、いつも清らかな夜明けには


各々が華籠を持ち、そこにたくさんの美しい華を盛って、


他の国の十万億もの仏さまに供養する。


食事の時間には、すぐに元の国に帰って食事をとり、


その後静かに散歩をするのだ。


舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽はこのようにすぐれた功徳で


飾られているのである」





(解説)


仏教徒にとって、仏さまに直接供養できるというのは


悦び以外の何ものでもありません。


極楽では朝早くから、採れたての華を


阿弥陀さまをはじめ、多くの仏さまへ


供養することができます。


その後帰って食事をとり、


静かに散歩します。


何とものんびりして優雅に思います。


ただ、この散歩は修行の一つです。


僧堂のほとりを心を静めて歩行往復します。


乱雑に歩くのではなく、そぞろ歩きをするのです。


2021年5月26日水曜日

仏説阿弥陀経⑮

(本文)


また次に舎利弗(しゃりほつ)、


かの国には常に種々奇妙(しゅじゅきみょう)なる


雑色(ざっしき)の鳥あり。


白鵠(びゃっこく)・孔雀(くじゃく)・


鸚鵡(おうむ)・舎利(しゃり)・


迦陵頻伽(かりょうびんが)・


共命(ぐみょう)の鳥なり。


この諸衆(もろもろ)の鳥、


昼夜六時(ちゅうやろくじ)に


和雅(わげ)の音を出(い)だす。


その音(こえ)、五根(ごこん)・


五力(ごりき)・七菩提分(しちぼだいぶん)・


八聖道分(はっしょうどうぶん)、


かくの如き等(ら)の法を


演暢(えんちょう)す。


その土(ど)の衆生、


この音(こえ)を聞きおわって、


皆悉く仏を念じ法を念じ僧を念ず。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「また次に舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽には常に種々の美しく彩られた鳥がいる。


それは白鳥、クジャク、オウム、九官鳥、


迦陵頻伽(かりょうびんが)、


共命(ぐみょう)の鳥である。


これらの鳥は、昼夜六時間毎に、


優雅な鳴き声でさえずるのだ。


その鳴き声は、五根(ごこん)・五力(ごりき)・


七菩提分(しちぼだいぶん)・


八聖道分(はっしょうどうぶん)などの、


仏教の教えを説いている。


極楽の人々は、この鳴き声を聞き終わり、


誰もが仏を念じ、教えを念じ、仏教教団を念じる」


※五根(ごこん)

 覚りを実現するための五つのはたらき。

 ①信じる②努力する③記憶する

 ④精神統一する⑤智慧


※五力(ごりき)

 さとりを実現するための五つの力。

 五根(ごこん)が

 五障(欺く・怠ける・怒る・恨む・憎む)

 を打ち破るための具体的な力となったもの。

 ①信じる力②努める力③記憶する力

 ④精神統一する力⑤智慧の力


※七菩提分(しちぼだいぶん)

 覚りを実現するための七つの要素。

 ①記憶する②教えの真偽を選び分ける

 ③努力する④正しい法を喜ぶ

 ⑤心が軽やかになる⑥心を統一する

 ⑦対象への執着を捨てて心が平等になる


※八聖道分(はっしょうどうぶん)

 仏教の八つの実践法。

 ①正しい見解②正しい思惟③正しい言葉

 ④正しい行い⑤正しい生活⑥正しい努力

 ⑦正しい憶念⑧正しい瞑想





(解説)


『阿弥陀経』に登場する鳥は、


私たちの世界に存在する鳥と、


私たちが見たこともない鳥がいます。


私たちの世界に存在する鳥は、


白鳥・クジャク・オウム・九官鳥。


私たちが見たこともない鳥に


迦陵頻伽(かりょうびんが)と


共命(ぐみょう)の鳥がいます。


迦陵頻伽(かりょうびんが)は頭が人間、


そして体は鳥の姿です。


共命(ぐみょう)の鳥の方は、頭が二つある双頭一身です。


双頭は人面だけではなく、鳥の場合もあるのだそうです。


阿弥陀経では、これらの鳥は、


昼夜六時間毎に、きれいな声で鳴いて


仏の法を伝えていると説かれています。


その鳴き声を聞くと、仏を念じ、教えを念じ、


仏教教団を念じる気持ちが自然に湧いてくるのです。


迦陵頻伽(かりょうびんが)は雅楽の曲にも


登場します。


曲に合わせて羽をつけた四人の童子が


可愛く舞う姿は、極楽を思い起こさせてくれます。


2021年5月25日火曜日

仏説阿弥陀経⑯

(本文)


舎利弗、汝、この鳥は実にこれ


罪報(ざいほう)の所生(しょしょう)なりと


謂(おも)うことなかれ。


所以(ゆえん)は何(いか)ん。


かの仏の国土には


三悪趣(さんなくしゅ)なければなり。


舎利弗(しゃりほつ)、その仏の国土には、


なおし三悪道(さんなくどう)の名もなし。


何に況んや実(じつ)あらんや。


この諸もろの鳥は皆これ阿弥陀仏の


法音(ほうおん)をして


宣流(せんる)せしめんと欲して、


変化(へんげ)して作(な)す所なり。






(現代語訳)


〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉


「舎利弗(しゃりほつ)よ、


あなたはこの鳥が、罪の報いによって


鳥に生まれ変わったのだと考えてはならない。


なぜなら、極楽には三悪道(さんなくどう)、


つまり地獄・餓鬼・畜生という


苦しみ大きい世界がないからである。


舎利弗(しゃりほつ)よ、


極楽には三悪道(さんなくどう)の名前すらない。


ましてや三悪道(さんなくどう)があるはずがない。


これらの様々な鳥は、みな阿弥陀仏の教えを


説き広めようとして、


姿を鳥に変えて現れたのである。





(解説)


仏教の世界観に六道輪廻(ろくどうりんね)があります。


すべての者は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の


六つの世界を生まれ変わり死に変わることを


繰り返していると説きます。


この六道輪廻は苦しみ迷いの世界です。


特に地獄・餓鬼・畜生は苦しい世界で、


この三つを三悪道(さんなくどう)、


あるいは三悪趣(さんなくしゅ)、


または三塗(さんず)、三途(さんず)といいます。


迷いの世界にいながらも、極楽浄土への往生を


願い、念仏を称える者は、その命尽きる時に


阿弥陀仏がお迎えくださり、極楽浄土へと


往生することができます。


そして二度と六道で迷うことはありません。


すなわち極楽浄土は六道の外にあるのです。


また、極楽浄土の中には地獄、餓鬼、畜生という


苦しい世界はありません。


『阿弥陀経』に登場する鳥たちは、


迷いの世界の存在ではなく、


阿弥陀仏の功徳によって、私たちを導き、


極楽の往生人に法を説くために


仮に姿を現した存在なのです。




六道輪廻については


「念仏と出会うということ」の項をご参照ください。

https://hourinji.blogspot.com/search/label/%E6%B5%84%E5%9C%9F%E5%AE%97%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88%E7%AC%AC2%E9%83%A8%E3%80%80%E5%BF%B5%E4%BB%8F%E3%81%A8%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8


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