2023年12月31日日曜日

1月前半のことば

 

1月前半のことば

「この一年人の長所と交わらん」 

年頭に昨年までの自分を振り返ってみたいと思います。

他者の振る舞いや言動、心の奥底を邪推して勝手に怒り、心を曇らせていなかっただろうか?

他者の短所を見つけて、優越感に浸るような浅ましい考えをしてこなかっただろうか?

もし自分のそういう行為に気づいたならば、今年こそはその行為を改め、他人の長所を見つけ、それと交わる一年を送ってみませんか。

悪意に満ちた心は自分も他者も不幸にします。

他者の行動には学ぶべきことがたくさんあります。

今年こそ人の長所に交わっていこうではありませんか。

自戒すると共に皆さんにもお勧めします。

2023年12月14日木曜日

12月後半のことば

 12月後半のことば

「振り向けば ご恩を受けし人ばかり」 

どんな人も、自分一人だけで生きていくことはできません。私たちが今ここに存在しているのは、過去から現在に至るまで、多くの人々との関わりと、その人々から受けた影響、そして自分自身の行動の結果です。

過去に関わった人々から得た経験の中で、肯定的なものを「ご恩」と呼んでいるのでしょう。

しかし、今の自分が存在しているのは、肯定的な過去だけによるものではありません。

過去に降りかかった数々の苦難や困難も乗り越えて、今を生きているのです。


「振り向けば、ご恩を受けた人ばかり」と、過去に出会ったすべての人々に感謝の気持ちを持つことができる人生を歩むことができれば、それは素晴らしいことです。過去のせいにするだけでは、良い人生は訪れません。

 ご恩を感じる人になれるように、人のせいにせず、自分の行いを見つめて今を精一杯生きていきたいものです。


2023年11月29日水曜日

12月前半のことば

12月前半のことば

「他人を踏みつけて幸せを得ることはできない」 

他人を踏みつけ、傷つけてのし上がるのが競争社会においては避けられない行為であり、生きていく術のように言われることがあります。

しかしながら、他人を傷つけて得た幸せは、本当の幸せとは言えません。

仏教では他人を傷つける行動・言動・意志を「悪い行い」だと説きます。

「悪い行い」とは自分を傷つける行為です。

「悪い行い」の結果は必ず「苦」という形で自分に返ってきます。

他人を傷つけているつもりが、実は自分を傷つけてしまっているのです。

私たちは皆、同じ世界を共有し、関係し合って生きています。

真の幸せは、他人を尊重し、思いやりの心を持つことから生まれるのです。


2023年11月13日月曜日

11月後半のことば

 

11月後半のことば

「人生は思い通りにならない」 

お釈迦さまは「人生は苦である」とお説きくださいました。

「苦」とは、単に苦しいという意味だけでなく、

「思い通りにならない」という意味です。

なぜ思い通りにならないのでしょうか?

それは私たちが「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとするからです。

たとえば、老病死は思い通りになりません。

他人は思い通りになりません。

家族も思い通りになりません。

自分の身体さえも思い通りになりません。

他人からの評価は思い通りになりません。

天気も景気も思い通りになりません。

私たちはこのような

「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとして、

それが叶わず「思い通りにならない!」と怒り苦しむのです。

何と不合理なことでしょう。

苦しみを感じた時には、まずは

「自分ではどうにもならないことを

思い通りにしようとして悩んでいないか?」

と自分に問いかけてみましょう。

そして自分でできることをしていくことから

はじめましょう。

2023年10月30日月曜日

11月前半のことば

11月前半のことば

「目に見えるものだけに囚われないで」 


私たちは五感で知覚できるもの、つまり色や形、音や匂い、味や触感などを頼りにし、求め、それらを信じて生きています。

これらは物質的な現象であり、私たちの生活に欠かせないものです。

しかし、これらは常に変化し、消滅するものです。

それに執着したり、それだけで満足したりすることは、私たちを迷いに導きます。

目に見える物質的なものに執着しすぎると、心の平安を失ってしまいます。

例えば、お金や家、土地、自分に関わる人たち、自分の容姿などにこだわりすぎると、それらを失うことを恐れて不安になったり、それらを得るために他人と競争したり争ったりすることになり、心を疲弊させてしまいます。

これは仏教では「煩悩」と呼ばれる心の病気であり、苦しみの原因と考えます。

仏教では、物質的なものに執着せず、心を清らかに保つことが大切です。

心の平安は、自分の内側にあるものであり、外側にあるものではないのです。


2023年10月13日金曜日

10月後半のことば

10月後半のことば

 

明日死ぬかのように生きよ

永遠に生きるかのように学べ   ガンジー

 

 

この言葉は、ガンジーが自分の人生を通じて実践した非暴力・不服従の精神や平和への希求を表しています。
ガンジーは、死や苦難を恐れずに自分の信念に従って行動し、同時に自分自身や他者や世界について常に学び続けました。
ガンジーは、人間は変われる生き物であり、間違いから学ばなければならないと考えました。
明日死ぬかのように生きるとは、今この瞬間を大切にするということでしょう。
過去に囚われず、未来に執着せず、自分の心と行いに責任を持つということです。
永遠に生きるかのように学ぶとは、常に自分を磨き、成長し続けるということでしょう。
知識だけでなく、慈悲や智慧も学びたいものです。 

2023年9月29日金曜日

10月前半のことば

10月前半のことば

変化を嫌えば苦しみをともなう

 

あらゆるものは常に変化しています。それなのに私たちは現状に執着したり、自分の思い通りにならないことを拒絶して自ら苦しみを生むのです。

長く付き合っていると、自分や相手の気持ちや環境が変化することによって、永遠に続くと思っていた人間関係も変わっていきます。それを拒否した時に、私たちは辛い思いをします。

子どもが成長して親元を離れたり、自立するとき、親は寂しさを感じたり心配をします。それを子どもが自分の人生を歩むために必要な変化であると思う反面、「いつまでも自分の手の中に入れておきたい」と執着して辛さを感じます。

また、年齢とともに体力や健康が衰えたり、病気になったりするとき、老いや死に対する恐怖や不安を感じてしまうかもしれません。しかし、それは生きている限り避けられない変化であり、若さや健康を永遠に保つことはできません。

 このようなことはわかっていても、腹の底に落とし込むことは困難です。まずは何かストレスを感じた時に、「あらゆるものは変化する」という無常の道理に逆らって自らを苦しめていないか?と自問することを繰り返すことから始めてみてはいかがでしょうか。

9月後半のことば

 9月後半のことば 「多様性 仏の目には 皆凡夫」   近ごろ「多様性」という言葉を耳にしない日はありません。会議でも学校でも、街頭のポスターにすら踊っています。確かに、人は千人いれば千人、百人いれば百人、異なる価値観や性格を持っている。それは事実です。しかし、だからといってその...