(本文)
舎利弗(しゃりほつ)、
もし善男子(ぜんなんし)・
善女人(ぜんにょにん)あって、
この諸仏所説(しょぶつしょせつ)の名(みな)
及び経の名(な)を聞かん者は、
この諸もろの善男子(ぜんなんし)・
善女人(ぜんにょにん)、
皆(みな)一切諸仏(いっさいしょぶつ)に
共に護念せられて、
皆(みな)阿耨多羅(あのくたら)
三藐三菩提(さんみゃくさんぼだい)を
退転せざることを得(う)。
この故に、舎利弗(しゃりほつ)、
汝等皆、まさに我が語、
及び諸仏の所説をを信受すべし。
(現代語訳)
〈釈尊から舎利弗(しゃりほつ)に向けてのお言葉のつづき〉
「舎利弗(しゃりほつ)よ、
もし善良な男性・女性が、
この諸仏が説かれる阿弥陀仏のお名前、
およびお経の名を聞いたら、
この善良な男性・女性たちは、
みんなすべての仏に一緒に護られて、
みんなこの上なく正しい覚りから、
退転しない境地に達するのである。
そうであるから舎利弗よ、
あなたたちはみんな、私の言葉と
すべての仏が説かれる教えを
素直に信じ受け入れるべきである」
(解説)
釈尊が舎利弗尊者(しゃりほつそんじゃ)に
「舎利弗及び汝らみな」とおっしゃったのは、
舎利弗尊者とその場に連なる仏弟子たちのみならず、
後の世の私たちもその対象に
入れてくださっているからです。
「念仏を称える者は現世はこのように諸仏から
護られ、来世は必ず極楽浄土へ往生する」ことを
「舎利弗及び汝らみな」に対して
「信受(しんじゅ)すべし」とおっしゃているのです。
「信受」とは「素直に信じて受け入れる」ことです。
我々はかくも疑い多き者ですから、
これほどまでに手厚くフォローしてくださっているのです。