3月後半のことば
「西方極楽 春彼岸」
仏教において彼岸は迷いのない「覚りの世界」を意味し、特に浄土宗では、私たちが目指すべき阿弥陀仏の世界「極楽浄土」と受け止めます。春分の日を中心にしたその前後三日間、合計一週間が春のお彼岸の期間です。
この時期、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。つまり彼岸は、私たちが目指すべき極楽の方角がはっきりと分かる時なのです。西へ沈む夕日を見つめることで、自分が向かう最終的な場所を確認できます。
私たちは普段、学校の勉強や仕事、家事や介護といった目の前の雑事に追われています。この世の用事にだけ対応していく日々は、心と体を疲弊させます。慌ただしい生活を送る中で、つい自分の命の行き先を忘れてしまいます。
命が尽きた後には、最高の楽土が存在します。極楽の主である阿弥陀仏は、ただ「南無阿弥陀仏」と称える者を極楽へ迎え取る、とお誓いくださっています。「いつかそこに往きたい」と極楽浄土を目指す願いを持つことが大切です。
普段は忘れていても、お彼岸の時期には往生への思いを新たに起こすことができます。目標の方角をしっかり見据え、日頃以上に心を込めてお念仏を称えていきましょう。