2024年1月29日月曜日

2月前半のことば

 

2月前半のことば

「我が○○」という執着心 

私は私自身に執着します。

「私の身体」「私の成績」「私の名誉」「私の価値」…

そして他者も私の中に取り込んでしまおうとします。

「私の夫」「私の妻」「私の子供」「私の友達」「私の仲間」…

さらには私の所属する集団をも私の中に取り込むのです。

「私の家族」「私の学校」「私の会社」「私の地元」「私の国」…

この「私の○○」を私は思い通りにしようとします。

「あなたのために言っているのよ!」というけれど、それは実は「私のため」でしかありません。

「私の身体」さえも思い通りにならないのに、他者や集団が思い通りになろうはずはありません。

時々自分を顧みて「また私の○○を思い通りにしようとしていたなあ」と認識することからはじめましょう。

2024年1月14日日曜日

1月後半のことば

 

1月後半のことば

「意志が意地になる」 

仏教では、苦しみの原因は「無明煩悩」にある、と説きます。

無明煩悩とは真実を見失うことであり、それによって私たちは執着や嫉妬や怒りなどの負の感情を起こしてしまいます。

この無明煩悩によって、人間は自分の意志こそが正しいと思い込み、自分の考えや信念を他人に押し付けようとします。

意志のつもりがいつしかそれが意地になり、自分と他者を傷つける行為です。

 


自分の意志を他人に押し付けるのではなく、自分自身の心を調えようと努力することが大切です。

自分の心を調えるには、仏の教えを聞き、仏教の実践を行っていくことです。

そして自分だけでなく、他者や他の生き物も大切にし、互いに尊重し、助け合っていきたいものです。

 


仏の教えに従って、自分の心を調える努力をしましょう。

そして少しずつながらも、苦しみから解放され、安楽な日を送りたいと願いましょう。

2023年12月31日日曜日

1月前半のことば

 

1月前半のことば

「この一年人の長所と交わらん」 

年頭に昨年までの自分を振り返ってみたいと思います。

他者の振る舞いや言動、心の奥底を邪推して勝手に怒り、心を曇らせていなかっただろうか?

他者の短所を見つけて、優越感に浸るような浅ましい考えをしてこなかっただろうか?

もし自分のそういう行為に気づいたならば、今年こそはその行為を改め、他人の長所を見つけ、それと交わる一年を送ってみませんか。

悪意に満ちた心は自分も他者も不幸にします。

他者の行動には学ぶべきことがたくさんあります。

今年こそ人の長所に交わっていこうではありませんか。

自戒すると共に皆さんにもお勧めします。

2023年12月14日木曜日

12月後半のことば

 12月後半のことば

「振り向けば ご恩を受けし人ばかり」 

どんな人も、自分一人だけで生きていくことはできません。私たちが今ここに存在しているのは、過去から現在に至るまで、多くの人々との関わりと、その人々から受けた影響、そして自分自身の行動の結果です。

過去に関わった人々から得た経験の中で、肯定的なものを「ご恩」と呼んでいるのでしょう。

しかし、今の自分が存在しているのは、肯定的な過去だけによるものではありません。

過去に降りかかった数々の苦難や困難も乗り越えて、今を生きているのです。


「振り向けば、ご恩を受けた人ばかり」と、過去に出会ったすべての人々に感謝の気持ちを持つことができる人生を歩むことができれば、それは素晴らしいことです。過去のせいにするだけでは、良い人生は訪れません。

 ご恩を感じる人になれるように、人のせいにせず、自分の行いを見つめて今を精一杯生きていきたいものです。


2023年11月29日水曜日

12月前半のことば

12月前半のことば

「他人を踏みつけて幸せを得ることはできない」 

他人を踏みつけ、傷つけてのし上がるのが競争社会においては避けられない行為であり、生きていく術のように言われることがあります。

しかしながら、他人を傷つけて得た幸せは、本当の幸せとは言えません。

仏教では他人を傷つける行動・言動・意志を「悪い行い」だと説きます。

「悪い行い」とは自分を傷つける行為です。

「悪い行い」の結果は必ず「苦」という形で自分に返ってきます。

他人を傷つけているつもりが、実は自分を傷つけてしまっているのです。

私たちは皆、同じ世界を共有し、関係し合って生きています。

真の幸せは、他人を尊重し、思いやりの心を持つことから生まれるのです。


2023年11月13日月曜日

11月後半のことば

 

11月後半のことば

「人生は思い通りにならない」 

お釈迦さまは「人生は苦である」とお説きくださいました。

「苦」とは、単に苦しいという意味だけでなく、

「思い通りにならない」という意味です。

なぜ思い通りにならないのでしょうか?

それは私たちが「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとするからです。

たとえば、老病死は思い通りになりません。

他人は思い通りになりません。

家族も思い通りになりません。

自分の身体さえも思い通りになりません。

他人からの評価は思い通りになりません。

天気も景気も思い通りになりません。

私たちはこのような

「思い通りにならないもの」を

思い通りにしようとして、

それが叶わず「思い通りにならない!」と怒り苦しむのです。

何と不合理なことでしょう。

苦しみを感じた時には、まずは

「自分ではどうにもならないことを

思い通りにしようとして悩んでいないか?」

と自分に問いかけてみましょう。

そして自分でできることをしていくことから

はじめましょう。

2023年10月30日月曜日

11月前半のことば

11月前半のことば

「目に見えるものだけに囚われないで」 


私たちは五感で知覚できるもの、つまり色や形、音や匂い、味や触感などを頼りにし、求め、それらを信じて生きています。

これらは物質的な現象であり、私たちの生活に欠かせないものです。

しかし、これらは常に変化し、消滅するものです。

それに執着したり、それだけで満足したりすることは、私たちを迷いに導きます。

目に見える物質的なものに執着しすぎると、心の平安を失ってしまいます。

例えば、お金や家、土地、自分に関わる人たち、自分の容姿などにこだわりすぎると、それらを失うことを恐れて不安になったり、それらを得るために他人と競争したり争ったりすることになり、心を疲弊させてしまいます。

これは仏教では「煩悩」と呼ばれる心の病気であり、苦しみの原因と考えます。

仏教では、物質的なものに執着せず、心を清らかに保つことが大切です。

心の平安は、自分の内側にあるものであり、外側にあるものではないのです。


9月後半のことば

 9月後半のことば 「多様性 仏の目には 皆凡夫」   近ごろ「多様性」という言葉を耳にしない日はありません。会議でも学校でも、街頭のポスターにすら踊っています。確かに、人は千人いれば千人、百人いれば百人、異なる価値観や性格を持っている。それは事実です。しかし、だからといってその...