第四段階は「煩悩を滅する方法がある」ということです。
それが様々な仏道修行です。
仏教には八万四千(はちまんしせん)の法門、といわれるように、
たくさんの教えがあります。
その多くは瞑想修行で、非常に理に適っています。
思い通りにならないものをそのまま見よ、と説く教えがあります。
判断するのではなしに、そのままを見よ、というのです。
私たちはついつい、ジロジロ見てくる人に嫌悪感を持ちます。
でも「ジロジロ見てくる人」は「ジロジロ見てくる人」
と受け取ればいいということです。
それに「なんでジロジロ見てくるの?!気持ち悪い!」
と嫌ったり、「あの人私に何か文句があるのだろうか?!」
と不安に思ってしまう、その必要はないというのです。
勝手に嫌悪感を持ったり不安に思って、
自分で自分を苦しめているのが私たちです。
しかしそんな必要はありません。
今ある状況をありのままに見ることによって、
余計な悩みを増やさずにすむのです。
私自身はこのような仏教の考え方でずいぶん救われました。
かつて「なぜ僕はこんなにツイてないんだろう」
「今日もイヤなことがあるのかな」
と不安にかられることが多い時期がありました。
でもこの仏教の考え方のおかげで、かなり改善されました。
いかに何てことはないことに自分は悩まされていたのだろう、
と思います。
『ブッダの処世術』
平岡聡