お念仏を称えるようになったら、
人格が高まり欲が消えて、
腹も立たなくなるのかと思ったら、
どうもそう簡単にはいかないようです。
在阿(ざいあ)というお坊さまが、
浄土宗の第三祖、良忠(りょうちゅう)上人に
このような質問をなさいました。
「阿弥陀さま、どうぞ極楽へ往生させて下さい」
と思って念仏しているのに、
私の欲深い心はちっとも治まらないじゃないか。
怒りの心も今なお消えそうにない。
それに対して「極楽へ往生したい!」
という思いはもっと強くなってもよさそうなのに、
ならないじゃないか。
これはどういうことでしょうか?という内容です。
例えばこれから気の合う友達や、
可愛い孫と一緒に温泉に旅行に
行くのは楽しみですよね。
ウキウキします。
でも「極楽へ往生したい」という思いは、
あるにはあるけれど、
ウキウキするほどの楽しみでもない。
念仏したいとは思うのですが、
それほど強くは沸いてこない。
「そうなんだよなあ」と同意される方も
多いのではないでしょうか。
それに対して良忠(りょうちゅう)上人は
どのようにお答えになったのでしょうか。
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