(本文)
かの仏の円光は、百億三千大千世界のごとし。
円光の中において、百万億(ひゃくまんのく)
那由他(なゆた)恒河沙(ごうがしゃ)の化仏(けぶつ)あり。
(現代語訳)
阿弥陀仏の丸い光背は、百億三千大千世界のような
大きさで、その丸い光背の中に、百万億(ひゃくまんのく)
那由他(なゆた)恒河沙(ごうがしゃ)の化仏(けぶつ)が
おられます。
(解説)
阿弥陀さまのお首の後ろ肩の辺りに
円形の光明が輝いています。
これを「円光(えんこう)」といいます。
その円光からは百億三千大千世界を
照らしているといいます。
仏教では須弥山(しゅみせん)を中心に、
その周りを囲む山や海、四大洲という陸地などによって
一つの世界が作られていると考えます。
これを「須弥山世界(しゅみせんせかい)」といいます。
この須弥山世界が千集まって「小千世界」を形成します。
その小千世界が千集まって、「中千世界」を形成し、
さらに中千世界が千集まって「大千世界」を形成します。
この大千世界のことを別に「三千大千世界」といいます。
阿弥陀さまの円光から放たれる光は、
「三千大千世界」が百億集まるような範囲を
照らしてくださっているというのですから驚きです。
その円光の中には百万億那由他恒河沙
(ひゃくまんのくなゆたごうがしゃ)、
つまり無数の化仏(けぶつ)がおられるのです。