「心の中で念仏を称えてもいいじゃないか」
という方もときどきおられます。
法然上人は
「それも悪くはないけれど、
やはり阿弥陀さまは、我が名を呼べよ、
と仰っているのだから、
声に出して称えるのが基本ですよ」
と仰っています。
身体と口と心が揃えばよいのですが、
主になるのは「口に称える」ことです。
もちろん
「阿弥陀さま、極楽へ迎え取ってください」
という思いがあってのことですが、
お念仏を称えている間中、ずっと
「阿弥陀さま、極楽へ迎え取ってください」
と思い続けるというのは難しいことです。
「心の中で称える方が簡単だ」
と思われるかも知れませんが、
私たちの心の中はそんなに上等にはできていません。
仮に心の中で十分でもお念仏を称えてみてください。
きっとすぐに違うことに思いが散って
気がついたらお念仏どころでは
なくなってしまうことでしょう。
しかし、思いは散っても
「阿弥陀さま、極楽へ往生させてください」
と願う心を大きく持つことはできます。
その私が、声に出してお念仏を称えるのです。
心はあちこちに散り乱れる私ですが、
口の念仏は癖付ければ続きます。
念仏の「念」は「声」です。
声に出してお念仏を称えましょう。