旅人が勇気を出して、少しずつ進み出すのは、
私たちがお念仏と出会い、阿弥陀さまの御心に適うように
念仏を称え出すことをあらわします。
そこに盗賊たちが呼び返すのは、
念仏の教えと異なる見解を持つ人や、
異なる修行をする人たちが、自らの考えを説いて
私たちを念仏から遠ざけようとすることに
譬えられるのです。
西の岸から人の呼ぶ声が聞こえるのは、
阿弥陀さまの本願の御心を譬えたものです。
西の岸に着いて善き友と喜び合うというのは、
お念仏の教えと出会えた喜びです。
私たちは長い間迷いの世界を、生まれては死ぬことを
繰り返し(輪廻)、ずっと逃れることができませんでした。
お釈迦さまがそんな私たちを極楽へと
導くために「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」を
お説きくださいました。
阿弥陀さまは「我が名を呼ぶ者を救う」という
「本願」を建ててくださり、私たちを極楽へ
迎え入れようと手を差し伸べてくださっています。
このお釈迦さまと阿弥陀さまの御心を信じ随って、
水火(貪りと怒り)の二河をかえりみずに
本願を忘れることなく念仏を称え、
命尽きた後に極楽浄土に往生して
阿弥陀さまとお会いできることは
この上ない喜びでありましょう。