(本文)
この三昧(さんまい)を行(ぎょう)ぜん者は、
現身(げんしん)に、
無量寿仏(むりょうじゅぶつ)および
二大士(にだいし)を見ることを得ん。
もし善男子(ぜんなんし)・善女人(ぜんにょにん)、
ただ仏(ほとけ)の名(みな)、
二菩薩(にぼさつ)の名(な)を聞くすら、
無量劫(むりょうこう)の生死(しょうじ)の罪を除く。
何(いか)にいわんや憶念(おくねん)せんをや。
(現代語訳)
これまで説いてきた精神集中(三昧)を
実践する者は、今生の身で
無量寿仏(むりょうじゅぶつ)と
偉大なる観世音、大勢至の二菩薩を
見奉ることができる。
またもし男であれ女であれ善良なる人々が、
ただ単に無量寿仏の名と二菩薩の名を
耳にするだけでも、無量劫(むりょうこう)もの間
生死(しょうじ)を繰り返さねばならない
罪の報いさえ除かれる。
ましてや無量寿仏と二菩薩を憶念すれば、
さらに多くの罪の報いが除かれるのは言うまでもない。
三昧(さんまい)というのは、
仏さまや浄土に心を寄せて集中し、
目の前にそのお姿や情景を映し出す瞑想の境地です。
「贅沢三昧」とか「カニ三昧」などという言葉の
元は「瞑想の境地」なのです。
阿弥陀さまと観音菩薩、勢至菩薩の
お名前を聞くだけでも無量劫(むりょうこう)という
長い間積んできた罪が消えるというのです。
阿弥陀さまと目の前でお目にかかれたら、
どれほどの功徳がありましょうか。