8月後半のことば
「他人を尊重することが自分を尊重する一歩 」
私たちはつい、自分や家族、会社など「身近な集団」の利益ばかりを優先してしまいます。「自分たちさえ損をしなければいい」という考えは、知らず知らずのうちに他者への関心を奪ってしまいます。
仏教では、こうした自己中心的な心の働きを「煩悩」と呼びます。実は、「自分だけは得をしたい」と願う心こそが、あなたを苦しめる真の原因なのです。意見を押し通して衝突する。利益を優先して孤立する。これらはすべて、自分を優先した結果にほかなりません。
人は放っておけば、どこまでも自分の得になるように動く生き物です。だからこそ、意識して「他者」へ心を向け、大切に扱う必要があります。
相手の立場に立って話を聴く。電車で席を譲る。こうした小さな思いやりが、あなたを煩悩の呪縛から解き放ちます。誰かを尊重し喜ばせる行いは、巡り巡って、あなた自身の心を守り、穏やかな安らぎをもたらしてくれるのです。
ただし、実践を重ねるほど、他人を尊重することの難しさに直面するでしょう。「いかに自分は自己中心的なのか」と、鏡を見るように己の姿を省みること。その自覚こそが、心を調えるための尊い第一歩となります。